200003

■斑鳩[20000301]

この寒空に僕らが夢想することといえば、仲間内でヒソヒソと糞嬉しげにニヤケナガら嫌らしい陰口をタタイテ神にでもなったかのごとく己の矮小さを省みず他人の矮小さをこっそりと相手に悟られないようにこっそりと非難する蛆虫どもの幸せな一生についてである。蛆虫の皆さんは自分では広いとおもっている全く些少な視野で自分自身をも含む世界を見ているので全く幸せのうちに一生を過ごすことが出来ますが、またその峡谷の如く狭い視野に一度不快分子が流入した際には目を背ける事すら出来ずのたうち回り周囲に散々迷惑をかけた後に死んでくれるならまだしも、再び幸せなことに低脳な蛆虫様は不快分子のことを見事に忘れ去り再び幸せな一生を送ることができるのでした。とりわけこの蛆虫の皆様の中におかれまして少数であるうら若き婦女子の蛆虫様などは全く女王様気分ただでさえ狭い視野が益々狭くなり全くもって世の迷惑甚だしい忌々しい小便臭いのですが、是非とも挿入させていただきたい、矮小な心の貴女の亀裂に矮小な僕の突起を。そして春はまた巡りくるのです。畜生供の不快な動物臭とともに。

■帰雁[20000302]

土屍の香り立つ草群に、少し腰が引けても前に進まなくてはならないのは暴力的な佐久間君のボールがこのどこかにあるからで、これを見つけて帰らなければきっと佐久間君は僕を嫌いになるので佐久間君は僕を苛めるので佐久間君はクラスのみんなに僕と話をしないようにというので僕はクラスで孤立して頭がおかしくなってある日突然教室で佐久間君を後ろからランドセルに隠し持っていたナイフで刺し殺すしかないとおもって行動に出ても運動が苦手な知的な僕はきっと失敗して逆に佐久間君にナイフを取り上げられてこのことを先生や警察ににいわれたくなかったら一万円もってこいっていわれて、運動が苦手な知的なプライドの高い僕はそんなことをお母さんやお父さんや近所のおじさんやとりわけかわいい僕の妹に知られたくないので悪いとは思ってもお母さんの財布から一万円を盗んでお母さんは薄々気がついているのだけれども気を使ってなのか何なのか何も言わなくてでも結果的にはそれが悪い方向に進んでやがて僕は万引きするようになってそして無残にも警備員のおじさんに見つかって警備員のおじさんは稲垣足穂なんか愛読したりしている少年愛趣味のおじさんで僕は薄汚くて臭いおじさんのチンコをしゃぶらされたり僕のチンコを弄ばれたりなんだか気持ち良くなったりしておかしな方向に進んでしまうことになるのだけれどもそうやってお金とかも警備員のおじさんにもらったりするようになってそのことに味を占めた僕は不思議にチンコしゃぶるだけでお金をくれそうなおじさんのことがわかるようになって街中でも結構有名になったりしたりしてそして結構マッチョなおじさんとも仲良くなって佐久間君を懲らしめてもらったりして佐久間君を調教して僕の僕にするようになって佐久間君の肛門には常にピンクローターが静かな唸りを上げて蠢いているのだけれどもやがて冷たい奴とかにも手を出すようになったりするともうあっという間に免疫機能が働かなくなってやけになった僕は妹を犯してしまって学校の先生を犯してしまって近所のお姉さんも侵してしまって止めに入った通りすがりの人たちを持っていたバットで殴り殺して少年院に入れられるのだけれども免疫のない僕は明確に隔離されてそして規則正しい生活は発病を押さえてやがて出所するのだけれども帰る家もなく全くの生きる屍の誰からも相手にされずに場末の酒場のポリバケツの陰で野垂れ死ぬのは嫌だから、一生懸命にボールを捜して本当に見つかって良かったのです。でもこれは大切なことで僕にとってはやはり佐久間君は邪魔者以外の何物でもないのだから後で山の上の神社の裏手にエロ本があるってチンケな嘘で佐久間君を誘って沼に蹴り落として殺してやるのです。絶対にしくじらない様にするためにも水筒の中の麦茶には浮気で家に帰ってこないお父さんにいらいらして眠れないお母さんが毎晩飲んでいる睡眠薬をこっそり少しずつくすねてあったのを砕いて溶かしていれてあるのだから。

ほら見てよ、馬鹿な佐久間君なんか実に簡単に引っかかって沼にうつ伏せになっているよ。睡眠薬が効いているはずなのにさっき一瞬暴れたときは少しあせったけれども慌てずにそっと上から頭を押さえつけてやったらじきに静かになったんだ。僕はもうこれで自由なんだね。あとはお母さんを泣かせる悪いお父さんや、僕にいつもうるさいお母さんや生意気な妹を始末するんだ。僕の自由の為に。

■蛤毒[20000303]

一番初めにしなくてはいけないことは腐りきった脳みそをいれかえることなんだけれどもその脳みそをいれかえる主体である行為者の脳みそが腐っているために結局その腐った脳みその腐った防衛本能は腐った脳みそ自身をいれかえることを無意識の内に否定しているのだからどうやっても、駄目ですね。本当に腐ったこの国の腐った脳みそについて腐ったこの国の鼻糞がいくら騒いだところで腐った脳みその指令で動く腐った指先に、ピンッと弾き飛ばされておしまいですよ。げ。

■蛭[20000304]

巣くう蟲も、時には役立つ、という幻想。

■野火[20000305]

どれだけ叫んでも、痛めるだけの喉。奥から血が出ても。

■夜無錫に宿す[20000306]

『満足度100%』などという半裸の乙女の写真の股間より飛び出し文字にて際限なく煽る獣欲など痰絡む『ゲボッ』という濁った咳も不愉快極まりなく、独りの時間、朝日新聞子どものニュースウィークリーへ目を通す老婦人は銀行への外形標準課税の段、己が低脳無能曝け出す自己の利己的欲望の攻めぎ合いデカイ咳口元ジュンク堂のブックカバーの文庫本読むのをやめずに手から離さずに中途半端に押さえてする咳の掌の隙間より噴出する不快な病人臭のフリース男それでもジュンク堂のブックカバーの文庫本読むのをやめずに手から離さずに咳するその口元から洩れ出ずる吐き気誘導する病人臭それでも猶も読むのをやめず新聞・文庫本・そして眼鏡女が読み続ける単行本とに三方を咳き込む病人に囲まれ眼鏡女は単行本を読み続ける不愉快極まりなく死ネ死ネ死ネ死ネ死ネと繰り返される呪詛の詞『今日は風呂に入らずに寝ろよ』と眼鏡女の頭をカイグリながらオイコラオノレそれ愛の表現のツモリカ?!

そんなことを思い出しながら部屋を出た僕は、アパートから川沿いに5分程歩いて、通称『銀橋』の橋の上で夕日を眺めたあと、橋を渡ってさらに少し歩き、ある路地を右に入り柊の生垣の隙間を分け入り、モノトーンの狭い中庭に出る。
初めてここを訪れた時は、其処彼処に点在する文字通り(比喩の類ではなく)『糞塗れ』の仏像や宗教画に圧倒された。
本当は、最初は仏像や宗教画の存在には全く気付かずに、僕は唯その悪臭に圧倒されていたのだけれども。
悪臭に満ち満ちていながら不思議に心落ち着くその空間に何度か通いつめているうちに糞塗れのそれらの存在にも気付き、そしてちょうど其のころ僕はその場所で、(これも比喩や隠喩ではなく、)文字通り、天使の歌声を聞いた。
その日から僕は耳から血を流して、こんなふうに、まるで死んだようにして生きている。

■羚[20000307]

『あなたの2つの乳房は、百合の花の間で草を食べている双子の羚、2頭の子鹿のようだ。』

今日は今日とて喉がああこれは一体如何なる因果応報か異常に甚く痛く痛く痛く、そしてその歯糞の香りする老人の口から出任せの口約束の大地の周囲の臭い人々とは如何なる些細なことでさえも話したくも無かったので、その尋常ならざる態度が正に恨みを買ってそれはそれで丁度良い、丁度良い思い出となって、己の精神の平安の為には非常に良かったのですが、辛苦の象徴たるレアが憎悪の権化ヤコブに産んだ自意識過剰の娘×××がその腐りきった地盤沈下激しい土地の上ではどんなに文芸作品であろうと必然性があろうと何もしたくない、乳首ですら、乳輪ですら、チラリとでも見せるのすら嫌!と言い張る憤懣遣る方ない低脳娘。達を猫を宥めるかのように懐柔する為に尋ねようとして出かけたところ、娘。達に買収されてある行為を依頼されていたその土地の族長のヒビ人疾風のハモルの子直情狼シェケムは狂乱の強迫観念で無様な思春期の少女を全く演じきれていないのに本人は見事に演じているつもりの顔面蒼白の彼女を見て、『こんなところでシェスタだからといって寝ている時間が勿体無いっ!』と閃いたので、これを三方より包囲しつつ川沿いに峡谷に追い詰め、そして峡谷の崖の上よりの奇襲により、味方には殆ど損害を出すことも無く、捕え、寝るのが勿体無いので従者達の首実検、それですら嬉々として対処したあと、素肌にオーガンジーの裾引き摺るガウンを羽織り、右手に我が血を浪波と注いだワイングラスを持ち、口元には不適な笑みを多量の青海苔混じりの涎の垂れ流れるのを気にもとめず、その象徴である黒光りする雁太の長槍を誇らしげに隆起させ、これと強引に寝て辱めた。性懲りもなく悲劇のヒロインを演じ続けるアホこと×××は確信犯的に寧ろ盲目的に自分自身に酔っていたし、更に言えば傷ついて捲れ上がり濡れそぼり膨れ上がったピグミーチンパンジーのホカホカ行動を想起させるかのような淫猥な異臭漂わせる彼女自身の女性自身から際限なく垂れ流される白糸の滝の香りにも酔っていたのだが、やった側がどのように誠意誠意と狂ったように口にする、一体誠意ってなに?という問いはさておき、そのような具体的な意義を持たないものの一応の世間体的な所謂、誠意をもって対処しようとしても、その腫れ上がった彼女自身の傷と恨みを晴らすことは、皆様ご承知の通りまず出来ない、と声を大にして申し上げたい程なのですが、喉が異常に痛く、声が出なくてその奥に鰯の小骨が引っかかったかのように根深いものがぼんやりと残ります。しかしオナンは、その生まれ出る子が自分のものとならないのを知っていたので、死んでしまった兄に子孫を与えないために(何と吝臭いことか!)、死んでしまった兄嫁のところにはいると、地に流していた。これではオナニーではないではないですか。膣外射精です。反中出し。ずっぷりとしたプライド高すぎですし。勝手にその名を自慰行為と結び付けられてその高すぎるプライドはもうズタズタに、襤褸切れのように打ち捨てられたことでしょう。さて一方では、それから3日目になって、ちょうど割礼をした彼らの傷が痛んでいる時、憎悪の権化ヤコブの2人の息子、自意識過剰の娘×××の兄である対抗するものに決して道を譲らない自己中心の最低男シメオンと、同じく何処で覚えたのか得体の知れない東北訛りの所謂ズーズー弁が抜けきらない陰茎デカイのに小心者のレビとが、それぞれ剣を取って、クスコをポケットに忍ばせ、難なくその町を襲い、すべての男子を犯し、そして殺した。とりわけ彼らは、ハモルとその子シェケムを捕らえその菊座を散々に弄び、中出しし、出血しようとも脱糞しようとも、強引にもクスコで尿道を裂けるまで広げ、その中に毒虫を詰め込んだ状態で、3日3晩肛門に対する性交渉を止める事の無いように、悩めるときも病めるときも何時如何なるときも、陰茎の出し入れを停止することはなかった。漸くシメオンとレビの精が尽き果ててのち、ハモルとシュケムの勃起した陰茎を生きたままに剣の刃で切り取り、ハモルの陰茎はシェケムに、シェケムの陰茎はハモルのそれぞれの反吐まみれの口に強引に毒虫ごと捻じ込み、更にシメオンとレビはそれを見て尽き果てたはずの精が再び甦り、その顔にかけた。或いは、地に流した。そうしてから漸く既に瀕死のハモルとシェケムとを剣の刃で殺し腹を裂き腸を引き摺り出し、腸を扱き大便をその体にかけ、更にはその死体の菊座に十字架を付き立てた。一体何時の事か。そしてシェケムの家から×××を連れ出してシメオンとレビは傷心の×××を慰めながらも一度沸き立った獣欲は収まらず、欲情してしまい、あろうことか×××を慰めるどころか慰み物にした。×××はそれでも腰を使っていたが、虚ろなその瞳に再び笑顔の光の戻ることは無かった。正に憎むべきこの世の全ての憎悪の権化ヤコブの子らの留まることを知らない永遠の欲望のために淫獣と化した彼らは、刺し殺された者を襲い、辱め、食らい、その場所にその町の存在したことを如何なる旅人に伝えても真実とは受け取られることが決して無いほどに略奪し破壊し尽くした。何がそうさせたのか、何がこれを。何処かで誰かが何かを捨ててくればよかったのか、人の心はそれでも人のものなので、捨てたところでまた新たに沸き立つ何かになるばかりで。まるで獣欲のように、際限なく。それでも、地に流してくればよかったのか。反吐が出るほどに。

■劣情三昧[20000308]

上品?そんなことは執事にでも。

■蔀強逆[20000309]

上品?ならば菓子を食えば良い。

■烈[20000310]

テコテコと足音を立てて歩く幼女の無垢な笑顔に潜む悪魔に睨まれて抱えて公の場の片隅で考察をするということの重大性をわかっていてやっているとしてもそれは空恐ろしく闇の力のなんと大きなことなのか。
或いは、孕める人の胎を割いて未だその姿不安定なるを引き摺り出し捏ね繰り回して捨ててしまうという悪行でも罪にはならない。更には事細かに耳元で五月蝿いことを云う者の衣服のみならず全体毛剃り落とし五指の爪を全て剥ぎ取り、生きながらにして棺に詰め土の中に埋め、必死にもがき、爪の無い手で掘り助かろうと必死の痛みの叫び聞いてはホクソエミ漸く開いた穴にグツグツと煮え立った糞尿を流し込み殺しながら大笑いしても罪にはならず。或いは咎人を高い楠の上に上らせあの天辺の鳥の巣を採って降りたら罪を許すなどと云いつつ天辺近くまで上ったところで木を切り倒し殺し大地に叩きつけられた在らぬ方向に折れ曲がった体と苦悶と衝撃にゆがんだ顔とは云えない顔を目の前にしながらも意外につまらない顔をしても罪にはならず、うら若き乙女といわず熟女といわず全裸にし板に縛り付け生臭い獣の精液匂い立つ中の馬の交尾を見せ付け、板を湿らせるならば泣き叫ぶその手足一つ一つに馬に連なる鎖を縛り付け馬に鞭打ち四方に駆けさせその濡れた股間のみならず肢体を裂けるを見て腹を抱えて笑っても罪にはならない一方的な偏見に満ち満ちた幸せな日々はここで事切れました。

■寒邸[20000311]

というか寒い

■邪[20000312]

父を殺し兄を殺し夫を殺しそして今また恋人を見殺す己の保身の為に。それは人殺しなのに。

■指をのばしても[20000313]

ひまわりの一面に咲き誇る野に立ちたい。青空の下。

■便箋[20000314]

拝啓
日差しはすっかり春だというのに風はまだまだ冷たく時折降る雨の僕の肩に降りかかるその冷たさ、まるでそれはこの、愚痴になってしまいました、ごめんなさい。お元気ですか?僕は少し怪しげな咳をしつつも元気に生きています。仕事は割に順調です。この前から新しい職場に配属されました。物置小屋のような隙間風の吹きすさぶ薄汚い場所です。なんだか職場の他の人ともなかなか打ち解けられませんが、そんなことはお金をもらえるということとは何の関係も無いのです。

従妹の容子ちゃんに赤ちゃんが生まれたそうですね。あのかわいかった容子ちゃんの子供だからきっとかわいいに違い在りません。容子ちゃんとは子供のころよくいっしょにお風呂に入ったものです。体を洗ってあげるといって無理やり脚を開かせその奥の未だ幼い亀裂の桃色の突起を舌で優しく舐めると酷くくすぐったがっていました。その後堅くなった僕のものを握らせてやると興味深げに色々と弄り回すので僕は本当に気持ち良かったあのころがまるで昨日のようです。あの桃色も色素沈着激しく膨れ上がり捲れ上がった其処からその子は生まれてきたのでしょうね。今度お祝いをしなくてはいけませんね。

そうそう、暫く居なかった僕の恋人がまた出来ました。今度は素直でおとなしいとても良い子です。以前の子は余りにも自己主張が激しく、僕も予定外に山に埋める日が早くなってしまい大慌てで雨の中穴を掘りましたが、在る意味それも良い思い出ですが、今度は計画どおりうまくいきそうです。次回の集会のときにはちょうど良い生け贄になってくれるようにうまくやっておきますので、ぜひ宜しく。

それではもうすぐ桜の季節といえどもまだまだ寒い日が続きます。くれぐれもお風邪などお召しになりませぬように。
敬具

■指をのばしても[20000315]

ひまわりの一面に咲き誇る野に立ちたい。青空の下。

■長雨[20000316]

真実根拠論拠とかうるさい。下らないこと。

■病巣[20000317]

どうしようもないひとりの人の心の奥にまでずかずかと押し入り己の言葉を何かぶつぶつというでもなく口を開きもしないで口腔内で何かこうむにゃむにゃと死んでしまえなどと呟くほどでもない小さな声で呪詛する貴様らに一体何がわかるのか勿論僕にもわかりませんが、なんかそんなこというぐらいなら死ねばいいと思いました。

■病原[20000318]

というかそんなことうだうだいったり思っている間に自分が死ねば良いのかと思いました。或いは計画的な殺人と自殺を考えて殺人を実行に移すということ?最悪。

■雨の森[20000319]

雨降る森にて。

左手小指の欠損した君の左手と僕の右手を繋いで歩く。小指の欠損した君の左手はがっしりとした君の体躯からは想像も出来ないぐらい弱い握力。まだ痛む?

「いや、別にたいしたことない」

そういうけれどもじわりじわりと巻かれた包帯から滲み出る生暖かい血流、僕の右手にも伝ってきて曲げた僕の薬指の第三関節からぽたりぽたりと森の落ち葉の上に赤い雨を降らしています。寂しくなってきた僕の右手に少し力入り過ぎるとその雨粒の量は次第に増えていくので何だかね。

森の随分奥まで歩いて方角もどちらを向いているのかよくわからないぐらいになったころ、少し大きな橡の木の辺り、ちょっと広くなっているところで、僕は君に尋ねた。もうこのあたりでいい?

「そうだね」

と、少し擦れた、醒めた声で僕のほうを見もしないで答える君。

僕は左手小指の欠損した君の左手と繋いでいた少し君の血で粘ついていた右手を離し、左手に持つ太刀の柄に手をかけるや腰を右に切り一文字に抜き其処には君の少し黒ずんだ首筋寸分過たず刃は肩より上を。その刹那、君の横顔微かに微笑んだような気もしたのだけれども、確かめる間もなく君の首は、どさり、と落ち葉の上に。一瞬の静寂のあと嘗て君の首から上のあった場所から激しく降る赤い雨、倒れる君、横殴りの雨、橡の幹に向けて脈打ちながら吹き流れ続ける。

君の血と脂の少しついた本身を軽く血振りし、その場に腰を下ろし切先が僕の喉元に向く様に柄を持ち替え、刃を水平に切先を喉元にあてがい、そのまま前に体重をかけると、少し刺す痛みの後喉の奥に突き刺さる刃、再び刺す痛みのあと後ろに突き抜ける刃。
君の首は向こうを向いて転がっているので一体どんな表情をしているのか、微笑んでいるのかもう確かめることも出来ないけれども、そんなことはもうどうでもいい心残りでもなんでもなく、口腔内に広がる鉄の味、増す痛み、薄れゆく意識。
森に降り続ける、雨が僕の体を濡らす。

■冬風[20000320]

風の音が

木々を揺らし 唸りを上げ
電線を切り 唸りを上げ
マンションのサッシに当り 唸りを上げる

冬の終り

■ばらばらばら[20000321]

へりこぷたー

うるさい

■犬懐[仮][20000322]

掲示板とかへの書き込みというのは返信のタイミングやその掲示板運用の一般常識という一定視点からの偏見ともとれないこともない縛りなんかなかなか難しいものだとも思います最近というより寧ろ以前から僕はそんなことは気にしないでもっと自由に闊達に思うが侭やんごとなき武烈王のように振舞ったりとか怒られたら謝れば良いとかいい加減で自己責任感皆無な考え方にもゆらゆらと甘い蜜の香りに誘われるように傾いたりもしますというのも残虐非道な獣欲による本庄まなみの極私的死姦計画的犯罪ですら計画的に謝ったら反省の余地があるとか思われたりとか無残にも殺された愛しい命とは全く関係のない家庭の事情が情状酌量だとか訳のわからない戯言繰り返された上で遺影も持ち込めず資料も閲覧できず挙句の果てには無期懲役で意味不明の仮釈放なんてルールで数年で出所できるらしいですから僕なら無念な表情しつつも心の其処ではニヤリと笑って出てきたところを拉致してからゆっくりと嬲殺しにしてしまうかもしれませんというかしますがそういう2次的な事件を未然に防ぐという意味でも極刑をもってしてほしかったのですがそれは矢張り判例保身判例保身の為なのかそれともいえねでも仮釈放なければ無期懲役でも良いとは思うのですが死刑反対なら反対でもそれはそれでいいと思うのですがとにかくまあ咳が止まらなかったのですよ今日の日中はそれで極まりないのです。
指が、冷たい。

■懐かしのお笑いコンビ、シャクレ&マシャマシャ登場[20000323]

洗脳って怖いって思うこの僕の心も洗脳されていると思う僕も洗脳されていると怯える僕も洗脳されている君も僕も

そして、飯食って糞捻り出して、寝て、死ぬ。あえて、死ね。とか、言うな。でも言う。言うな。

■嬌声[20000324]

とてもとても大切な人のとても大切な思いの重さ、その重さに耐えかねて、潰れる心。醜い僕の心は潰れ、大切な君の美しい心を知りたいと思い、思い深まり、再び心潰れ、裂く君の体の中に、淡い桃色の肺胞を想像していたのに、真っ黒な、余りにも黒ずんだ肺。煙草のせいなのか、尼崎の空が悪いのか。君の心の美しさを桃色の肺胞に集約象徴していた真っ赤な手の僕の心は再び潰れて行く当てもなく彷徨う、ロッテルダムの昨日の夜に、出口はなかった。

■割鍋[20000325]

野海

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