200106

■灰燼[20010601]

母猫が飼い主の寝る布団の上で子猫を6匹出産していた頃、偉大なる馴れ合いと大いなる荒らしは堅牢を誇る天上の神々に到底勝ち目が無いと判っていながらも彼らの愛する死すべき蛆蟲共の為に戦いを挑み、そして地に堕ちた。蛆蟲共はそんなことには全く無頓着にあいもかわらず地べたを這いずり回り続けていた。

そして千年後、蛆蟲共は永遠に続くかと思われた晴天による日照で死に絶えた。蛆虫共の屍骸の上にかつて無いほどの雨が降り注ぎそしてそこには雨後筍のように矮小なる毒蟲が湧き出した。毒蟲達は、s様を盟主とする『墓穴を掘る天才コピーライターの会』として大同団結ししかしながら蛆蟲如きと罵られながら次第にイマイチな感は否めないもののそれでも荒れてきたとか意味不明の戯言を呟かれながらも、なんか怖い、と世間から疎まれていた。最後にs様を抱きしめて恐喝を記念して或いはあの素晴しい唾棄すべき天高く聳える存在としてのクマゲラなんて何の権利があって誰よりも早くそして確実に言いたくて言いたくて仕方がないのでしょうか哀しくて柄杓ですくった糞尿を夕涼みの為に道路にぶちまけて大の字で天を見上げれば背後から匂い立つモツ鍋の馨しき香り香り香るなか香織のか細くタイルのように白い首をカクンと軽く捻り丸で彼岸花を手折るかのように散る命のもう一度輝けと心に込めた願いは包丁人としての自負を記念して或いはあの小さな鋏でカットアンド荒らしの吹き荒れる中大型のバンに突然引き込まれて連れられた港の倉庫の中で見ず知らずの男達が代わる代わる私の体の上を通り過ぎてそして無機質なビデオテープが回る音と生々しい男達の息遣いと腰の動きに合わせて起こる洋服の擦れる音と虚ろな気持ちでああ今朝パンを食べた時に牛乳のパック冷蔵庫に片付けたかしらとか今ここにある現実から離れることが出来ないのは男の腰の動きに合わせて私の腰に伝わる規則的な衝撃と白濁液の顔に粘ついて口の中一杯の臭い塊と鼻腔に刺すような栗の花の匂いそして粘膜の痛みは久しぶりに訪れたチンピラの春の夜風に誘われて路地裏で呑気に立ち小便なんか空には大きく丸い月が輝き大きく息を吸い込むと沈丁花の花の香りが心和ませる突然降り出した雨は渇いた屋根瓦を湿らせ灰色から漆黒にその色を変え樋をつたわり路地の用水路の奥まで流し込まれた白濁液は生命の希望と憎悪と不安と諦念に彩られた濁った白い心は花弁を毟り取り開示された真実への道は街灯も無く足元は泥濘行く先は永遠の闇金棒を持った巨大な赤鬼が優しい声で僕に囁く「ここは仲良し馴れ合いの場所ですよ、荒らすのはやめてください。」見上げれば笑顔の口元から鮮血と辛うじて人の腕と判別できる肉塊ポロリと僕の足元にああその指先にはしなやかな白い指先に握られていたのは黒々とした巨大な陰茎何の権利があって誰よりも早くそして確実に射精をしたくてしたくて仕方がないのでしょうかあまりの哀しさ故にここに由来を明記しておく。

■[20010602]

蕎麦

■[20010603]

饂飩

■[20010604]

銀鼠色の肩こりに呵まれた狂気

■[20010605]

喩えて言うなら酒井駒子様のよるくまという選択肢。

■[20010606]

雨の膝から下までずぶぬれでぐっぐっぐっと歩く度に音のする靴の中は冷たく真新しい銀色の傘も空の灰色にとけて何も見えない。そして床下からは死んでしまった仔鼠の死骸の腐敗する臭い湿った空気に乗って鼻に眠気を誘う。

■[20010607]

東京の臭い

■喫茶セネガルにて[20010608]

照り付ける灼熱の日差し艶めかしく現地の子供は砂を蹴り上げ駈け回る。止まらない頭痛は益々酷くなり僕は右手に持つトロピカルカクテルを奇声と供に砂浜にぶちまけた。泣くほどのことはない、良くあるそして今までにもあった傷心。回復できない訳でもなさそうなのに何故だか一向に癒える気配も無く、あの嫌らしく青い空の上から、僕を見下ろす、太陽のそこに在るが故なのか。 そのころ僕はただ真っ直ぐ前だけを見ていたし、その僕の視界に戦慄の輝きを持って飛び込んで来た彼女も、僕と同じように前を見ているのだと思っていた。それにしても僕の何と子供じみていたことか。表現されることのないいかがわしい世界観が今は僕の中枢に大きく大きく。 如何様にでも成るという甘い見込み違いが僕を袋小路へと追い込み。 酷く背徳感に突き動かされた衝動は立ち止まることも出来ずに矢張り僕の本来の特質なればこそそれすらも真っ直ぐに。 動かないようにしっかりと縛り上げ声を出せないように口には荷造りテープ。 猫が目の前を走ったような気がした。暗闇では良く判らない 明石家さんまが好むような馬鹿女

■[20010609]

机や椅子は刺股の代わりには

■[20010610]

蛇足にすぎない。

■鸛[20010611]

左巻きに進んでいたのですが結局何にも解りませんし先月の行く末は何にもなかったのでした。

■鳥飼之糞夢[20010612]

ちゅうかなんでやねんなんでこんなことしてんねん。こらやめえや。みちこやめえって、にいちゃんのちんこひっぱるなって。まだようちえんもいかんうちからちんこばっかりひっぱってたらとなりのしずえねえちゃんみたいになってまうでっちゅうてもまだことばもしゃべれんのやからいうてもむりか。それはさておきなんでこんなことしてんねんちゅうかここいったいなんやどこやねんなんやわけわからんぎんいろのどかんみたいなうえみたらあおぞらようみえるしそやからいうていくらさけんでもだれもけえへんしなんやこのかべえらいぶあついみたいやけどなんできゅうにこんなことになんねんやろかなんかきるもんほしいなあちょっとさむなってきたし
煩い。つうか馬鹿か、死ねよ。
とか、非道い言葉。耳が、腐る。

■鴉と除草剤[20010613]

くそ。邪魔するな。臭い。罠。忌名。金魚鉢。胴田貫。回覧板。彼岸花。約束。六法全書。いつまでも。柳刃包丁。踏切と遮断機。補助輪付き自転車。消火栓。血痕。ガラス片。片方だけの子供靴。荊。カステラ。バス停で時刻表をメモする人。ゴム長靴の中に山積する船虫の死骸。朝からUHFでアニメ。駅ホームのゴミ箱を漁ったスポーツ新聞。泥だらけの素足に拾ったスニーカー。洗わない髪そして体と体臭。抱かれた子猫。縛られた野良犬。立派な身なりの男性が割り込み乗車。職場の給湯器。叱責。飴玉。山梔子の香。横断歩道。駅前に停車して群れ集うタクシー運転手達。乞う人々。横断歩道の上の迷惑駐輪。蛆虫と蠅人間。アフタヌーンティーティールームでセットの午後。白い杖の男性。タンスの防虫剤の薫。行き倒れの牛の死骸のように、僕は、馬鹿。

■[20010614]

最後まで失わない言葉を失う

■[20010615]

順番に崖っぷちまで走っていって順番に笑顔で墜ちていく

■[20010616]

鳥は自動車に轢かれそして鴉に屍を引き裂かれ仲間の鳥はぎいぎいと鳴くばかり

■[20010617]

芦屋〜芦屋川〜王子公園

■[20010618]

全く進むべき道もなく足下の弱さばかり目立って今まで疎かにされてきた自分自身の根本的な部分の欠如に唖然とするほどやる気もなく唯々惰性で繰り返されるそれは少し離れた位置から自分自身をそっと見てみればあまりの滑稽さに悲しさすら感じることが難しいぐらいでそれでもこうしてまた月曜日になってしまって

■[20010619]

鯖色の秋刀魚片手に歩く女性校門越しに突き立て走り去る香水の香りどこにもせず苛立ちの中荊の林の中で立ち尽くすばかり

■蟲[20010620]

光もしない苔生した幼虫の背中に巣くう虎杖の流れるような流線型、僕は見ることもなくそうして君から僕に繰り返される辟易としてしまうような繰り言に僕は片手をあげて「ありがとう、もういいよ。ほんと、どうも」ニヤリともしない笑顔で君を見つめながら。

■斑鳩[20010621]

湯気立つ朝の森の沼にとんでもなくもない羽蟲の群が唸りもあげずに飛び回り夜の狭間に弱々しく遠吠えを繰り返す死の淵の犬の鳴き声も耳にも入らず酒場では漸く気がついたのか飲み過ぎて倒れていた夏服の少女が反吐まみれでのたうちまわり辺り構わず放尿脱糞そして死の薫り漂いつつ更に強いの極めてそうして日は2度と昇らないので。

■[20010622]

さりとて僕にはどうしようもなくあからさまに漂うばかりの水槽の中の金魚のように、行ったり来たりするばかりなの今夜も五月蠅い犬の夜の遠吠え。

■[20010623]

振り返らない過ぎ去った夕日のまた昇ってまた沈むのだからというように僕は、そんなことしらない。五月蠅い、犬。

■[20010624]

壊れたキーボードは打ちにくいので打てないのでメモ帳に記す。

■[20010625]

神業と収束しない隠蔽

■[20010626]

諦めないで抗わないでなにもしない

■[20010627]

冒険しない計画しない策略練らない権謀術数の何たるかを知らずして寝るべき。五月蠅い、犬。

■[20010628]

島流しとして、生きない

■[20010629]

なかなか泣かない

■[20010630]

酷く、棒読み


Copyright ©1998-2005 Sakanaka Yukihiko - All Rights Reserved.