200111

■[20011101]

魚屋が魚を仕入れて魚を売るように八百屋が青果物を仕入れて青果物を売るように僕は一体何を売って生きているのだろうかとか嚔しながら考えるふりして寝る。

しかし１月２９日に一時的な隠し場所として１ＤＫのマンションの引き延ばし工作として月１０万円で借りた事件の１週間前に訪問した際にも貞操帯をはめて解体作業に取りかかった明の財布から１万３５００円を窃盗したことに対し高裁は検察側の要請を聞いているばかりで一向に事態は進展せず会議と称しては連夜料亭で豪遊していたが朝倉が発した証言を信じるとするならば遺体は山中に埋めるつもりだとして高裁に異議をかけ西東のコネで裏口入学させてもらったまま明は床に這いつくばるようにして死んだ。
『浴室にマサカリ、極道には花束を』それが明の最後の言葉であった。
５月１５日には朝倉は都合４回もパチンコをしながら自慰行為に耽りそして深夜になると勃起した下半身丸出しのまま繁華街を徘徊しどこにも繋がっていない携帯電話を耳に当て『気に食わないことなど何もあるものか！終夜ひねもすのたりのたりかな』と怒鳴り続けていたが翌早朝５時７分発の電車に乗り連結部側の座席で車両内に悪臭充満させつつ昼過ぎまで眠り続けた。このとき朝倉は、血涙を流しながら精液でパンパンに膨れ上がった幾千万ものコンドームの中身を啜ってはゴミ箱に分類廃棄している血塗れの明の夢を見た。それから昼過ぎに起きてからも目の前には町の風景の手前には常にその明の姿が焼き付いたまま離れなかった。
その後管理職となって手数で負けることが多かった汚れた血と汚れた血を結びつける決定的証拠としてのアルバイトの面接に来た清楚な女子高生に対し不動産取引経験の質問もそこそこに切り上げ、床に寝かせると性経験についての質問ばかりをし続けたがやがて深く溜め息を吐くと何も言わないで２階に上がろうとした。そのとき朝倉は『お姉さんはいつ嫁入りしていつ帰っていたか？同年暮には紀州を出発した船はなんとか江戸に着きましたか？蜜柑は着きましたか？』と、凄んで言い放った。失禁し震えるばかりで何も答えられない女子高生に少し哀しげな視線を送った朝倉は全裸の上に羽織ったトレンチコートから銃身を短く切り落としたショットガンの銃口を正確に女子高生の頭部に向け花を散らした。
翌１９９７年には浅草のマンション１２階にある性感マッサージ店「平成１２年」の店長Ｍから予め聞いていた同室の悪しき鍵を生じない呪詛の言葉『１９８５年１２月２１日付／１９９０年１１月２３日付／１９９６年１１月１４日付／２０００年４月１９日付／２０００年４月２０日付／２０００年５月１日付／２０００年５月８日付／２０００年１０月２０日付／２００１年３月２５日付／２００１年７月５日付』を店の前で唱えはじめると店内で健気に働く女性達とそしてうつろな客達は全身の穴という穴から血を吹き出して死に絶え朝倉の言葉が終わると扉は音もなく開き以後半年間朝倉はそこで暮らした。
朝倉について…１９３５年３月９日青森県八戸市生まれ。６人姉弟の長男。馬車馬のように働き裂けた脳髄空虚な精神そして押さえきれない欲望の赴くまま定時制高校ではボクシング部に。日本大学法学部を卒業。入管施設から拘置所に移送されたエチオピア人を殺害（何故か不起訴）し現場から採取された陰毛は全部で１６本あった。内５本は白髪２本は金髪１本は赤毛残りは絶滅したとされる日本狼の毛であった。犯行に使用されたと思われる金槌２本のうち１本はいつでも取り出せるようにバッグの外側に付いているポケットに入れもう一本は５００ｍｌの牛乳パックに牛乳の入ったままのその中に隠し持った。
翌年でっぷりとした腹の中年紳士を落札して２８０万円で購入。目隠ししマンションに運び込んだ。バッグのポケットに入れてあった金槌で目隠ししたままの期待のため勃起した中年紳士の後頭部を殴打し俯せに倒れたので仰向けにし馬乗りになり数十回にわたり頭部を殴打し続けた。途中金槌の柄が折れたために牛乳パックの中の牛乳臭い柄の予備の金槌で殴打し続けた。頭部のあった場所には砕け散った頭蓋骨の欠片と血塗れの頭髪と皮膚と肉片だけがあった。中年紳士は勃起したまま硬直していた。
ラマダンは日の出から日没までの間だからそれ以外の時間は飲み食いしてもいいとかいうばかりの奇しくも泰子の４１回目の誕生日であってそして最後の誕生日であった。朝倉はビニール袋を紙袋の中に入れエチケット袋として前の座席の背部についている網の中にセットしておいた。また予備にもう一つエチケット袋を作りスーツの内ポケットに入れておいた。
朝倉は死体の臭いを理由に高裁に辞任届をだしたり取り下げたりを繰り返してばかり居たために所内では完全に孤立した存在だったが暗黒の鍵で開けて入り勾留の職権発動を水洗いして脱水し話し合う余地はなく喧嘩モードで人前で股間をまさぐり射精し続けた。日陰といえども多量の精液が乾涸らびて固まっているのに気づき勝手口からダイニング・ルームのドアを強く引いて１０センチくらい開いたその隙間から家の中に向かった女性が東南アジア系の男性と泡ミルク情報がありましたと叫んで彼の熱いものを挿入したままだらだらと涎をたらしている場合不可能になることにした。その後の１月２９日と２月２８日は証言とほぼ一致するがオーバーステイのことで警察にいずれバレることが気になるので３１日地検にこの件で起訴された。息の絶えた判別不能の泰子の着衣を包丁で脱がせて浴槽に入れディベール脱毛クリームで陰毛を除去した。
目の前に突如現れた警察官に力の限り振り下ろしたマサカリ（どうしてそんな恐いこと）。返り血だらけの着衣は洗濯機で水洗い、漂白剤に浸け置き洗いすると茶渋もきれいにとれて白さが際だった。すぐ近くのホテル街で売春していた尼僧は日曜日に教会で上手な家計のやりくりに関する講義があった。翌２８日午前４時半過ぎ、翌６日、吐瀉物で膨れ上がったビニール袋（エチケット袋）などを、すばらしい肌触りの和紙の色紙に筆ペンでさらさらと実に見事に書き連ねられた色紙を路地の物陰やビルの非常階段でセックスしながら販売しているところを付近の住人などから目撃されている。
その後の１月２９日と２月２８日は証言とほぼ一致するが、死刑が確定した。『金づち２本のうち１本はいつでも取り出せるようにバッグの外側に付いているポケットに入れた』と多量に吐血しながら官憲の制止もものともせず絶叫した朝倉の足下には血の水たまりが出来ていた。地元署の警察官が実際に歩いて調べたところでは７分発の電車に乗り浮浪者の吐いた痰を避けようとして都合１２階段ボールに転び左ひざを殴打。５回目の打撲で左向こう臑の骨が折れ膝蓋骨が床にころげ落ちた。死因は脳挫傷。調査した結果朝倉は内金１５００万円を濡れそぼった亀裂にねじ込み引きづり出した腸を首に巻いて強く絞めつけ射精した。９月２７日明の死を決定したＤＮＡ型を覗くとツンと鼻を突くあまりの刺激臭に５人の検査官が意識不明の重体になった（内４人は半年後に死亡。１人は現在も意識不明であるが事件当時彼は風邪のため鼻が詰まっていた）。
２０００年１０月１８日朝倉は骨すき包丁で自らの両肩関節を切断しようとしたがこれは係員に阻まれ断念。翌日昼食中に腹痛を訴え医務室に行く途中看守の目を盗み逃げ出し食料倉庫に逃げ込み鍵を掛け２階でパンツから陰茎を引きづり出して奇声を発して前かがみになったまま女児を出産しそのまま朝倉は死亡した。生まれた女児は施設に引き取られ奇しくも『泰子』と名付けられた。
１９８５年１２月２１日、地裁で死刑判決
１９９０年１１月２３日、高裁で控訴棄却
１９９６年１１月１４日、最高裁が上告棄却、死刑確定
２０００年１０月２０日、死刑執行予定日